処方箋は「脱ゆとり」ではない  中嶋博・早大名誉教授

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/archive/news/2005/01/20050131org00m040050000c.html
Fioさんのページで知りました。http://d.hatena.ne.jp/Fio/
 中嶋氏の言うことはかなり当たり前のことである。文部科学省も自分たちに都合の良いよう韓国の結果のみ強調しようとしているにではないか。(アジアでOECDに加盟しているのは日本と韓国しかないから当たり前かもしれない。)
 結論は少し安直で納得しかねるが、PISAの意義、フィンランドの実情は正しいといっていいと思う。
 「落ちこぼれを防ぐあらゆる手立てが講じられている。」まずこれだろう。全国で学力テストを行ったら、落ちこぼれが大量に出て、さらに落ちこぼれる人が増える。

PISAの性格

 「PISAは長年の試行錯誤の結果、できたもので、なお改善が加えられている。1980年代、韓国や日本の子供たちは数学テストで上位を占めていたが、OECDは『何らかの犠牲の上で高得点を得ているのではないか』『その力は、これからの社会で役立つのだろうか』と疑問を持ち、『むしろ、クロス・カリキュラム・コンピタンス、すなわち問題解決、批判的思考、コミュニケーション能力、忍耐、自信といった教科を横断した能力が大事だ』と考え、その能力を測るための研究を始めた。」

 これが本当だとすると(本当だろうけれど)、今の文部科学大臣が言っていることはまったく見当はずれだということが分かりますね。必要な力は『試験学力』でなく、『真っ当な総合的な学習の時間で養われる学力』に近いってことですな。